「人前で緊張が強い」状態はこのような疾患が考えられます
例えば重要な講演会でスピーチをするときなど、大勢の人の前に立った際に緊張してしまうことは誰にでも起こりうることです。
通常であればそれはごく自然な感覚なのですが、このような状況を恐れるあまり日常生活に支障をきたすようなら治療が必要となります。
社交不安症
会議での発言、電話、初対面の人との会話といった場面で強い恐怖や不安を感じ、日常生活や仕事に支障が出ているならそれは社交不安症かもしれません。
これは性格の問題ではなく、脳内のしくみに関係する病気であり、適切な治療によって改善が期待できます。
主な症状
- 人前で激しく緊張する
- 手足、全身、声が震える
- 顔が赤くほてる
- 脈が速くなり、息が苦しくなる
- 通常よりも多めの汗をかく
- 口がカラカラに渇く
- トイレが近くなったり、尿が出なくなったりする
- めまいがする
など
社交不安障害の治療
社交不安障害の治療は、薬物療法や認知行動療法が中心となります。
薬物療法の第一選択はSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)です。
ただし効果が現れるまでに2週間から数か月を要するため、焦らず続けることが大切です。飲み始めに胃の不快感が出ることがありますが多くは数日で治まります。
また、双極性障害の素因がある方に使うと不安や焦燥が逆に強まることがあるため、医師が事前に確認します。
SSRIの効果が出るまでの間は、即効性のある抗不安薬が短期間補助的に使われることがあります。
ただし長期使用では依存が生じるリスクがあるため、あくまでも一時的な「つなぎ」として位置づけ、漫然と使い続けないことが重要です。
認知行動療法(CBT)も診療ガイドラインで第一選択として推奨されています。
不安を抱きやすい考え方を変えたり、不安にうまく対処したり、不安に慣れたりする訓練を行います。

