「仕事や学校に行けない」状態はこのような疾患が考えられます
朝、目が覚めても体が重く「今日も行けない…」と感じたことはありませんか?
その日の疲れや体調によって職場や学校に足が向かないことは誰にでも起こり得ることです。
しかし、そのような状態が続く場合、それは単なる「甘え」ではなく、心や体からのSOSサインかもしれません。
うつ病
脳のエネルギーが欠乏することにより、意欲が出なくなってしまう疾患です。
症状が進行すると、仕事や学業、家事などが困難となり、日常生活に大きな影響が出ます。
また元気な時には楽しめていたテレビや食事、趣味などにも興味がなくなってしまいます。
うつ病は生涯で10人に1人がうつ病になるとされており、決して珍しい病気ではありません。
慢性的に憂うつな気分が続き、思考がまとまらず堂々巡りになり、身の回りのことが手につかなくなります。
多くの場合は不眠を伴いますが、過眠となる方もいます。
この病気は、脳内神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリン、ドパミンなどのバランスが崩れることで起こるとされています。
言い換えますと、うつ病は個人の性格や能力とは関係がなく「誰にでも起こりうる病気」といえます。
下表のような症状がみられたときは当院にご相談ください。
主な症状
- 気分が沈んでいる
- 何をしても楽しくない
- 何事にも興味がわかない
- 食欲が落ちてきた
- よく眠れない
- 何かに追い詰められている気持ちになる
- 失敗したときに、自分を責めてしまう
- 自分には価値がないと感じる
- 思考力や決断力が落ちてきた
- 死にたくなることがある
など
うつ病の治療
休養、薬物療法、精神療法が治療の柱となります。
休養については仕事をしている方については必要に応じて休職診断書を発行いたします。
学生の方は環境調整や休学のための診断書を発行することもあります。
軽症の場合は働きながら治療することもありますが、現実には厳しいことも多いです。
経済的な不安を抱えている方も多いと思いますが、傷病手当や失業手当などの制度もありますので、担当職員が説明いたします。
薬物療法の中心となるのは抗うつ薬です。
通常は1週間~数週間で様々な症状が改善するのですが、その段階で服用を中止してはいけません。
再発を予防するため、回復してから数か月間は服用を続けることが重要です。
患者様によっては、抗不安薬や睡眠薬などを併用することもあります。
精神療法では心理的側面からアプローチし、うつ症状の改善を図ります。
限られた診察時間では難しいこともありますが、認知行動療法のエッセンスも取り入れています。
これは、物事の捉え方や問題となっている行動を見つめ直し、自分の陥りやすい思考や感情パターンに気づいて、心をうまくコントロールできるようにし、ストレスを軽減していく治療法です。
適応反応症(適応障害)
環境にうまく適応することができず、意欲が出ない状態が続くため、社会生活に支障をきたす疾患です。
不眠、食欲不振、全身倦怠感、頭痛、肩こり、腹痛、めまいなどの身体症状を伴うことも多いです。
適応反応症になるきっかけとして多いのは生活環境の変化であり、強いストレスのかかる出来事が生じてから1か月以内に発症することが多いです。
新しい場所に引っ越したとき、勤務先の部署がかわったとき、転職したとき、進学したときなどが原因としてよくみられます。
なお、適応反応症になったとしても、つらい症状が常に出現し続けるわけではありません。
仕事上の問題がストレスとなって適応反応症を発症している場合、勤務する日は憂うつで意欲が出なくても、休日には症状が少し楽になったり、趣味を楽しんだりすることができます。
治療に関してはまずは原因となっているストレスを軽くするため、環境調整を行うことになります。
仕事をしている方については必要に応じて休職診断書を発行いたします。
学生の方は環境調整や休学のための診断書を発行することもあります。
薬物療法は治療の主体ではありませんが、抗不安薬や抗うつ薬、睡眠薬などを用いることがあります。
精神療法としては、ストレスの原因に対する受け止め方のパターンにアプローチし、ストレスにうまく対処できるように極端となっている考え方を見直します。

