• 2026年6月29日

ADHDの薬は命を救う?

不注意や衝動性、多動性などを特徴とするADHD(注意欠如・多動症)は子どもの病気と思われがちですが、最近では大人になってから生きづらさを感じて診断を受ける人も増えています。今回はADHDの薬物治療が患者の死亡リスクを大きく下げる可能性があるという研究を紹介したいと思います。

これまでの研究からADHDを抱える人はそうでない人に比べて平均寿命が短いという厳しい現実が知られていました。その主な理由は病気そのものが原因というよりも特性からくる生活上のトラブルにあります。たとえば、不注意による怪我やメンタルヘルスの悪化が招く自殺や過剰服薬といった、防ぐことができるはずの非自然死が多いことが原因でした。

スウェーデンのカロリンスカ研究所を中心とする国際研究チームは、新たにADHDと診断された6歳から64歳までの約14万8千人を対象に2年間にわたる大規模な追跡調査を行いました。その結果、診断から3ヶ月以内に薬物療法を始めたグループは始めなかったグループに比べて、事故、自殺、薬物の中毒といった非自然死のリスクが大きく減少していたのです。

ADHDの薬は脳内の神経伝達物質のバランスを整え、注意力を高めたり激しい衝動性を抑えたりする効果があります。その結果、重大なトラブルが未然に防がれ、精神的な安定をもたらして非自然死を減らしたと考えられています。

今回のデータが示したのは、治療を先延ばしにしないことが結果として本人の命を守ることになるという事実です。ADHDの特性で日々の生活に生きづらさを感じているようでしたらどうぞお気軽にご相談ください。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38470385

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