• 2026年10月2日
  • 2026年10月9日

パニック症について

突然、激しい動悸や息苦しさに襲われ「このまま死んでしまうのではないか」という恐怖を感じたことはないでしょうか。心臓の病気などを疑って病院へ駆け込んでも心電図や血液検査では異常が見つからず、発作は数分から数十分ほどで治まってしまいます。これは医学的にパニック発作と呼ばれる現象です。

パニック発作自体は決して稀なものではなく、およそ10〜20%の人が生涯で一度は経験するといわれています。過度のストレスや疲労を背景に一時的に起こる場合も多いのですが、発作を繰り返すうちに日常生活全体に影響が出るとパニック症の診断となり治療の対象となります。

発作を経験した人は、再び発作が起こるのではと恐怖にとらわれるようになり、これを予期不安と呼びます。また、発作が起きたときにすぐに助けを呼べない場所や逃げ出せない場所(満員電車、エレベーターなど)に対して強い恐怖(広場恐怖)を自覚することも多いです。

要因の1つとして知っておくべきなのが日常的なカフェインの過剰摂取です。受診する患者様の中には、カフェインがパニック発作のトリガーになっているケースが少なくありません。コーヒー、緑茶、エナジードリンク、市販の風邪薬などに含まれるカフェインは交感神経系を直接刺激し、発作のスイッチを入れてしまうのです。そのため、カフェイン摂取を制限するだけでも発作の頻度や強さが改善する例が多く見られます。

発作は脳内のネットワーク(扁桃体や青斑核)の過敏性が関係しており、気合いや根性で治るものではありません。現在の標準治療においては、脳内の神経伝達物質の乱れを整える薬物療法(SSRI:選択的セロトニン再取り込み阻害薬など)と、過度な恐怖を和らげて行動範囲を少しずつ広げていく認知行動療法(CBT)を組み合わせるアプローチが高い治療効果を示しています。

パニック発作は強い恐怖を伴いますが、発作そのものが原因で命を落とすことはありません。まずは日頃のカフェイン摂取や生活習慣を見直しつつ、症状が続く場合は一人で抱え込まずに心療内科や精神科などの専門機関へ相談することが回復への最も確実な近道です。

不安でお悩みの方は以下のページもご参照ください。

https://nemukoko.jp/strong_anxiety.html

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この記事の監修医師

・上飯田ねむの木こころクリニック 

・院長 桑原 高史

・名古屋大学医学部 卒業

・精神科専門医・指導医

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