- 2026年10月17日
「年相応の老化」と「認知症」の違い

年齢を重ねるにつれて人の名前が覚えられない、テレビで見た人の名前が出てこないといった悩みを抱える方は少なくありません。椅子から立ち上がったものの何をしようとしたのか忘れてしまったり、眼鏡をどこに置いたかわからなくなったりすると、認知症になったのではないかと心配になるかもしれません。
しかし、こうしたもの忘れの多くは自然な老化現象であり、過度に恐れる必要はありません。年相応のもの忘れと認知症を見分けるポイントは時間が経っても「忘れたこと」自体を覚えているかどうかにあります。加齢によるもの忘れはヒントさえあれば思い出せます。一方、認知症によるもの忘れは忘れたこと自体を忘れてしまっており、他人に指摘されても記憶をたどることができません。
また、加齢による生理的なもの忘れは食事のメニューなど体験の一部を忘れるにとどまるのに対し、認知症では食事をしたこと自体という体験そのものが抜け落ちてしまうとされています。
日常生活に支障があるかどうかも重要な判断基準です。加齢によるもの忘れは自覚があるためメモなどの工夫で補えますが、認知症では同じ質問を何度も繰り返したり、日付や場所がわからなくなったり、金銭や服薬の管理ができなくなったりするなど、自立した生活が困難になります。
近年では、正常な老化と認知症の中間にあたる「軽度認知障害」も注目されています。軽度認知障害は日常生活こそ自立しているものの、年齢相応以上に記憶力が低下している状態です。放置すると約5年で半数が認知症へ進行するとされる一方、進行を遅らせたり機能を回復させたりできる可能性があることが分かっています。
忘れたことを自覚できており、日常生活に支障がなければ認知症ではない可能性が高いため、まずは安心してください。それでも心配というときは一人で抱え込まずに、医療機関にお気軽に相談してみてください。
もの忘れがご心配な方は以下のページもご参照ください。
https://nemukoko.jp/easy_to_forget.html
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この記事の監修医師
・上飯田ねむの木こころクリニック
・院長 桑原 高史
・名古屋大学医学部 卒業
・精神科専門医・指導医
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