- 2026年8月14日
「神童」は大人になっても神童か?

幼い頃から言葉が達者だったり、計算がずば抜けて速かったりする神童と呼ばれる子どもたちがいます。親や教育関係者はつい将来も優秀なままであることを期待しがちです。しかし「十で神童、十五で才児、二十過ぎれば只の人」という諺が示す通り、近年の研究では成長とともに他人との差が目立たなくなることが多いことが分かってきました。
今回は2025年に学術誌『Intelligence & Cognitive Abilities』に掲載された研究を紹介します。本研究では、4歳や7歳の時点で高い一般認知能力(IQ目安で115以上)を示した子どもたちと、標準的な能力(IQ99〜115)を示した子どもたちを対象に、成人期(21歳)に至るまでの認知能力の変化を追跡しました。
その結果、幼い頃にトップクラスのスコアを出していた子どもの多くが年齢を重ねるにつれて平均的な水準へと落ち着いていく一方、幼少期は目立たなかった子どもが思春期以降に急激に能力を伸ばすケースも少なくありませんでした。
幼少期は家庭環境や早期教育の差が認知テストのスコアに大きく影響します。しかし、成長して脳が成熟するにつれて、知能は自分本来のポテンシャルが指し示す水準へと収束していく傾向があるのです。
この知見は早期の知能テストだけで神童とラベル貼りすることの危うさを示しています。幼少期の一時点のスコアで子どもの将来を決めつけたり過度なプレッシャーを与えたりするのではなく、子どもの能力は成長とともに大きく変化し得るものと捉えて、柔軟なサポートを行う姿勢が求められています。
