• 2026年1月11日

睡眠と精神疾患の関係

毎晩しっかり眠れていますか?「最近よく眠れない」「朝起きても疲れが取れない」そんな悩みを抱えている方は少なくありません。実は睡眠の問題は単なる疲れだけの問題ではなく、心の健康と深い関係があります。

睡眠は単なる休息ではありません。睡眠中、脳は日中に学習した内容を長期記憶へと変換し、脳内に蓄積した老廃物を除去し、免疫機能を強化しています。さらに重要なのは、睡眠が感情を処理し、ストレス耐性を高める役割を果たしていることです。睡眠不足が続くと、感情を司る扁桃体が過活動となり、感情制御が低下してイライラや不安が増加します。

睡眠障害と精神疾患の関係は、どちらか一方が原因というような単純なものではありません。実は双方向的な関係、つまり互いに影響を与え合う複雑な関係にあることが最近の研究で明らかになっています。慢性的な睡眠障害はうつ病や不安症の発症リスクを大幅に増加させます。一方、うつ病患者の大半が睡眠問題を抱え、不安症患者の多くが睡眠障害を経験しています。この双方向的な関係により、睡眠障害と精神症状が互いに悪化させ合う負の連鎖が形成されます。

うつ病では入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒といった不眠が特徴的ですが、一部の患者では過眠も見られます。不安症では、就寝前の心配や反芻思考によって入眠が妨げられ、さらなる不安を生み出す悪循環が形成されます。統合失調症では昼夜逆転などの概日リズム障害が顕著で、双極症では躁状態で睡眠時間が極端に短くなり、うつ状態では過眠が見られるなど、病状によって睡眠パターンが大きく変化します。

この関係の背後には、生物学的なメカニズムがあります。セロトニンやドーパミン、GABAといった神経伝達物質の異常、コルチゾールやメラトニンなどのホルモン系の乱れ、炎症反応の増加、そして脳の構造的・機能的変化が関与しています。

睡眠を大切にすることは、人生の質を改善することにつながります。もし睡眠に問題を感じていたり、気分の落ち込みや不安が続いたりしているようでしたら、一人で抱え込まずにご相談ください。

上飯田ねむの木こころクリニック(仮称) ホームページ