- 2026年3月22日
防衛機制とは何か―不安から自分を守るしくみ

防衛機制とは受け入れがたい思考や感情によって生じる不安をやわらげるために、人の心が無意識のうちに使う働きです。不安そのものは危機に対応するための自然な情動であり、防衛機制もまた誰にでも日常的にみられるもので、基本的には異常なものではありません。ただし、それが過剰になると不安症などの精神疾患につながることがあるとされています。防衛機制の特徴を知ることは、自分や他者の心の動きを理解する手がかりになります。
代表的なもののひとつが「抑圧」です。強い不安や葛藤を意識から締め出し、無意識の中に押しとどめようとする働きです。「逃避」もよく知られており、現実から別の行動や空想、あるいは病気の世界に意識を向けることで葛藤を避けようとします。幼い子どもにみられる赤ちゃん返りのような「退行」もこれに関連します。
また「反動形成」は性的欲求に対して過度に禁欲的になったり、攻撃的衝動に対して極端に優しい態度を取ったりするなど、正反対の態度をとることで心の安定を保とうとする仕組みです。「合理化」は自分に都合のよい説明で納得しようとするもので、イソップ童話の狐が「ブドウは酸っぱいから嫌い」と言う態度がこれに当てはまります。「置き換え」は例えば親への葛藤を上司などに向け替えたりすることで不安を軽減する防衛機制です。
さらに、「取り入れ」は親や社会などの価値観を自分の内面に取り込むことであり、反撃できない相手の考えに同調して自分を守ることもあります。「投影」は自分の中の認めがたい弱さや欲求を自分にとって重要な他者の中に見て相手を責めることで、不安を軽くしようとする防衛機制です。責められた相手は怒りを一身に引き受けねばならず、濡れ衣を着せられる感じを抱くことになります。
上飯田ねむの木こころクリニック(仮称)
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